動物の死体によくたかることから、シデムシ(死出虫)と名付けられている虫がいます。
このシデムシには、またエサを土中に埋めて食べるという習性があります。
そうしたことから、マイソウムシ(埋葬虫)と呼ばれることもあります。
シデムシの仲間は日本には29種類が分布していて、小動物の死体をエサとして生活しています。
シデムシの一種のモンシデムシは、エサの死体を巡って敵、または仲間と闘争します。
野外で死体が出ると、その匂いにつられてモンシデムシをはじめ、いろいろな昆虫が集まってきて、エサを巡って争いが起こります。
数匹のモンシデムシが勝利すると、死体の下に潜り、それを埋めやすい場所まで移動させ、死体の下の土をかき分け、死体を埋めるのです。
そして今度は、仲間同士でケンカをし、勝ち残ったオスとメスが夫婦になり交尾をします。
この夫婦は、死体の羽や毛を取り去り、吐き戻したものや排泄物などを塗りつけ、表面を細かく砕いて団子状にしていきます。
やがてメスが産卵し、数日後にふ化すると、その団子状のものを幼虫に与えます。
夫婦は共同で幼虫を育てますが、オス親が自分の子に給餌するのは、昆虫の世界では大変珍しいことだということです。