役人がもてる

「本来自分が主張すべきことがあっても、自分の立場が不利になるときは黙っていることが多いですか」という質問に対し、「はい」という答えが最も多かったのが石川県でした。

この結果と一脈相通ずる県の特徴が、役人の占める位置が非常に高いことです。

金沢市内の酒場で飲むときでも、市役所や県庁勤めの役人なら初めての店でもツケを断られることはまずないんだそうです。

江戸時代、最大の外様大名だった前田家の加賀100万石では、文化の主役は町人ではなく侍でした。

そこが大坂や京都、江戸とは違っています。

江戸や大坂の町人は、表向きは武士にペコペコしていましたが、腹の中では舌を出していました。

ところが、金沢の町人は心の底から武士を尊敬していたのです。

石川県は輪島塗や九谷焼といった日本の伝統工芸のメッカです。

しかも、昔から加賀へ行くと「天から謡曲が降ってくる」と言われたほどです。

屋根葺きや植木職人までが謡の一説を口ずさんでいるからで、それも能楽をたしなみとしていた武士の影響です。

武士を心から尊敬する町民は、利益に対して淡泊な態度を取っていました。

しかも、武士に負けないだけの教養を身につけることが出入りの条件でした。

こうした歴史が、石川県人のおっとりと上品で、しかも権力に弱い性格を作り上げたといえます。

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